老舗再興のためのブランド構築

様々なPR観点から情報発信

クライアント
株式会社銀座テーラー

創業61年目(2006年)を機に、PR活動を本格化。老舗特有の古い気質の考え方、経営を見直し、様々 な革新を推進。そのスピード感ある事業展開と、会社の顔である社長をクローズアップ。メディアごとに情報コントロール、広く認知拡大を図り2年余りで企業 ブランドを構築。

銀座の老舗の逆襲

広報活動を行うにあたり、まず、「銀座テーラー」の現状を把握するため、イメージ分析を行いました。テーラー=デザインがオーソドックス、敷居が高い、と いったイメージであること。政財界のトップには知られているが、その他の人たちには知られていないこと。銀座の一等地と言われる並木通りに店を構えていて も、その存在を知り、ふらっと立寄る人などいないという結果でした。それはテーラー業界全体が、海外の有名ブランドの力に押され、一般に洋服を選ぶとき、 候補にも上がらなくなってしまった背景がありました。

そこで私たちは、老舗の良さを残しながらも、常に新しい取り組みをする企業=イノベーション・テーラーを 目指し、守るべきブランドの「核心(価値観)=手作りの技術」は継続し、ブランドの「革新」と「拡張」に邁進する独創的な経営ビジョンや、「洋服づくりを 通じて、お客様の幸せづくりのお手伝いをする」という経営理念を広く一般に認知拡大するため、広報活動を実施しました。常にマスコミ目線で掲載露出をイ メージし、今最も社会が注目しそうな4つのPRキーワードを設定しました。

「銀座の老舗」・ 「企業再興」 ・「技術継承」・「富裕層」です。

また媒体の特性を生かし、広く認知させるだけでなく、ターゲット媒体へ効果的に掲載を獲得することで、話題喚起を促しました。

新事業を効率よく、時流にのせ発信

銀座テーラーでは、私たちが広報をお手伝いする少し前から、様々な老舗テーラーとしては画期的な事業展開を始めていました。例えば「オーダーデニム」に関 しては、老舗テーラーがデニムを扱うという意外性、1本3万円台から12万円台まで揃う高級デニムという新奇性などがポイントになり、扱い商品で一番高い 「プラチナデニム」を中心に掲載を獲得、最終的にオーダースーツ13万円台から、フルオーダー30万円台からのスーツを扱っていた店に、デニムを目当てに 全く新しい層のお客様が来店、顧客の裾野を広げることができました。

また、同ビル6階に男性メンズサロン「ジェントリー」がオープン。「頭の先から爪先までのおしゃれ」を テーマに、マスコミに提案。銀座テーラーだからできる、長年培った男性のニーズを美容サロンにも取り入れることで、月間100名の顧客も確保。そのことに より、アラミスなど異業種コラボレーションなども積極的に展開することで掲載の幅を広げました。

「主婦からの転身」社長クローズアップ

情報発信するにあたり、事業展開以外に一番話題性が高いと思われたのが社長の存在でした。2代目のご主人が亡くなった後、主婦から社会人に復帰。団塊世 代、そして女性でテーラーの社長、次々に新規事業を展開する、老舗復興への手腕は、マスコミに対して興味深いものとなりました。また社長に就任するまでの 波乱の人生をまとめた著書「勝ち残りましょ、銀座で」の出版もあり、社長の人となりをマスコミに訴求するのに拍車をかけました。テーマはズバリ「老舗再興」。女手ひとつで逆境から復活させたサクセスストーリーは、多くの人物コーナーで紹介されました。また毎回取材の際に、「技術継承」「ものづくり」を テーマに取材に応じることで、職人技=伝統の技術・品質の良さもPRすることができ、銀座テーラーのブランド価値を向上させました。

その他、紙媒体への露出を見たテレビ関係者からの問い合わせも増え、社長を通じてテーラー店内、そしてアトリエ(工房)の職人さんたちが、映像で流れることで、今まで入りづらかったテーラーが身近になり、新規顧客開拓への足がかりにもなりました。

ルーティン活動により、常に様々なマスメディアを通じて、全国区に露出することで、ブランドを浸透させることができたことが功を奏したといえます。最近では、社長への講演依頼も増加し、都内はもとより地方にも出向き、経営者のよきアドバイザーとしても活躍しています。

広報効果は前年比148%を達成

このように、多額の宣伝費を投じることなく、広報活動を継続して行うことで、一老舗企業がマスコミを通じて、多くの付加価値を呼び、売上げに貢献できたこ とはPRの底力と言えるのではないでしょうか。弊社が携わってきた06年度(初年度)は約70件だった掲載数を、07年度には100件以上の実績に倍増。

売上も、06年度は前年比130%、07年度は前年比148%を達成。 2007年10月の月間売上は、前年比約180%と、新規顧客も月間で30名(通常、年間30名と いわれている)と、不況といわれているテーラー業界で、右肩上がりの成長を遂げています。 今後は、多くの富裕層を顧客に持つ強みをいかしながら、次なるアクションを検討し、またPRの観念から情報発信を続けていきたいと思っています。